12チャンネル記録も可能なホルター心電計
Cardio Trak(カーディオトラック)
Cardio Trak(カーディオトラック) イラストイメージ
導入事例
大阪市生野区 濱口医院様
ホルター心電計 「CardioTrack」を使用してみて
”心臓を診るのは難しい”これはどの開業医も思っていることではないでしょうか? 病院に勤務していた時に循環器に携わっていた私も未だに同様に感じています。
何が難しいかというと、心臓疾患の症状を的確に判断しなければ急変して生死に関わることがあるからですよね。
”心電図と胸部X線撮影装置があれば、判断の根拠にでき得るじゃないか!”確かにそうです。両方とも症状を訴えている時に使えば、本当に有用です。
しかし、”胸が痛い”、”息が苦しい”など症状がはっきりしている場合は両検査の所見もはっきりしていてわかりやすいのですが、患者さんの訴えが曖昧で本当に心臓疾患なのかわかりにくいことも多いのです。
安静時に喉のあたりが何となく変な感じがすると訴えて患者さんが来院されましたが、胸部X-Pや安静時の心電図では異常な所見は認めませんでした。安静時に1日1回以上症状を自覚するとのことで、こういう場合はたとえ上記の検査で所見が無くても狭心症か不整脈ではないかと疑ってさらに精査することにしています。心臓超音波検査(UCG)とホルター心電図検査ですが、前者が予約検査のため後者を先にすることが多いです。
以前は私は他社のホルター心電計を使っていました。購入した当時、結果の解析は外注が当たり前でPCに解析ソフトをインストールするタイプで手ごろな価格で販売しているのは1社だけでした。この器械は患者さんから”病院では結果が数週間かかるのに先生とこでは翌日には分かるんですか。すごいですね。”と非常に喜ばれました。やはりスピードは大事で、不安を抱える患者さんにとってできるだけ早く不安をとって方針を決めてあげることは大切なんです。ただこの器械、営業の方が言ってたとおり簡易版のソフトなので解析機能が弱くて参りました。解析ソフトにかけた結果を再度時間をかけて見直ししないといけません。
まあ手頃な値段なので仕方がないかとあきらめつつ使用していたのですが、三栄メディシスさんからCardioTrackを開発されたことを聞きました。
本体は他社の3から4分の1の価格にし、解析料金は他社の半分以下にして、解析はクラウド経由し解析センターから30分以内に返信する。実現できればすごいけどできるんかいな?とも思いました。実際、解析センター構想の実現には時間がかかったようです。
重要なことは、解析精度はどうなのかと、12ch誘導を患者さんはどう思うかでした。
実際に利用してみて解析精度は至極まっとうで、信頼に足ります。マルケット社製並みとは言い過ぎかもしれませんが、以前のものとは比べものになりません。精度に関しては12chが効果的だと思われます。
ホルター心電図は装着そのものがストレスです。3ch誘導でも神経質な患者さんには負担なのに12chで大丈夫なのか?心配は杞憂に終わりました。もちろん3chとか12chとかでなく検査そのものを大仰に感じてしまうため、日常生活を過ごす事ができなくなるような患者さんもおられました。しかし以前3chの検査を行った患者さんにも装着しましたが、電極が増えていやだったと訴えられる方はいませんでした。CardioTrakの本体はそれほど大きくはありませんが、他社製のホルター心電計は小型軽量化が進んで来ており、現在は少し大きめの腕時計ぐらいの大きさにまでなっているようで、それと比べると、CardioTrackは単4電池使用しているため、やはり大きく感じてしまいます。
ホルター心電図検査そのものの欠点として①装着時に発作が出現していなければ解析できない②装着そのものがストレスです。また夏場は汗を掻いて体がべたべたしても入浴できません。これらに関してはCardioTrackであっても変わりません。そんな場合はチェックミーを試してください。あくまでホルター心電図を補完する機器という立場ではありますがね。
以上、使用雑感を記載してみましたが、なにはともあれCardioTrackを使用してみて下さい。心臓を診るのが少し簡単になりますよ。
大阪市生野区 濱口医院 濱口保武 院長先生